トップページ > 神戸の水
明治33年、神戸水道の創設時に布引貯水池は建造されました。
現在は琵琶湖・淀川水系の水とブレンドしておりますが、
完成当時は北野浄水場などを通って、いまでいう中央区と兵庫区に水を供給していました。
布引の水は六甲山系の摩耶山をその水源とし、その水質の高さから環境省から「名水百選」の指定も受けています。
六甲山の岩盤は花崗岩となっており、表層では水をよく通す細かい花崗岩の砂が堆積していますが、この土壌の下、水の流れる層は通気性がよく酸素が水に溶け込みおいしい水を作ります。
布引の水などは六甲山系の摩耶山をその水源とし、その水質の高さから環境省から「名水百選」の指定も受けています。
神戸の水はおいしくかつくさりにくいと言われますが、その理由は六甲山に降った雨水が森林の豊かなミネラルをとりいれながら、花崗岩の風化した地層を通過して湧き水として現出するからであろうと考えられています。
新幹線のトンネル工事の時に湧き出した水を「神戸ウォーター」としてつかったところ、国際コンテストで金賞をいただくまでの評価をいただきました。
神戸の水のおいしさを愛したのは地元神戸の人々ばかりではなく、神戸に寄港する外国人にも評判が良かったそうです。
神戸港から水を船に積み込み、港を離れて赤道を超えてもおいしく飲めたので、神戸の水は世界的に有名になりました。
ただし現在は外国船が布引の水を飲料水とすることはなくなっています。
1840年ごろ、櫻正宗6代目当主である山邑太左衛門が「宮水」を発見したとされています。
伝えるところによると魚崎(神戸市東灘区)の酒は当初西宮のものに及ばないとされていましたが、西宮の「宮水」を魚崎に運搬し酒造りに使用したところ、ひけをとらない逸品が出来上がったと言います。
日本でも代表的な酒造りの地である京都の伏見にも見られるように、一般に酒造には口当たりのやわらかい軟水を用いられることが多いのですが、灘五郷ではミネラル分の多い硬水を使い切れのある味を生み出しています。しかも「宮水」はリン成分の含有量が多いわりに品質を落とす原因となる鉄分が少なく、まさに名酒のために存在する水と言えるでしょう。